これが!尾張とんこつ!!②
❖愛すべき日本の出汁文化❖
~KABAとおわとんと出汁~
『豚骨ラーメンは脂っこい』
『塩分が強くて体に悪い』
豚骨ラーメンって、そんなイメージ持たれとるよね。
ほんとはね、全然ちがうとよ。
KABAが地元福岡から愛知に出てきたころには
豚骨ラーメン屋さんはほとんどなかったけんね
それから20年以上が経過
だいぶ増えたよね
豚骨ラーメン屋さん
KABAは豚骨の本場福岡県で生まれ育ち
豚骨ラーメンで育ったと
豚骨ラーメン
ばり美味しいけんね
でも、まだまだ敬遠されとる感じがするし、KABA自身も愛知で好みの豚骨ラーメンに出会うことが無く、
もっと自分好みの豚骨ラーメンが食べたい!
とずっと思っとった。
無かなら
自分で作ればよかっちゃないか
そう思ったのは
KABAが飲食業界に入ってから
だいぶ経ったあとでした
◆もくじ◆
・店主紹介
・トレーナーから料理人へ
・自分のラーメンを作りたい
・もはや和食!おわとんが出来るまで
どうすればいいのか~其の壱~
どうすればいいのか~其の弐~
どうすればいいのか~其の参~ 実践①
どうすればいいのか~其の参~ 実践②
どうすればいいのか~其の参~ 実践③
・尾張とんこつは完成したのか
【店主紹介】
椛島 剛(かばしま ごう)
1980年7月16日生まれ
福岡県筑後市出身
松原小学校⇒筑後北中学校⇒八女高校⇒トライデントスポーツ健康科学専門学校アスレティックトレーナー専攻
実はKABA
子供のころから
サッカー一筋
プロスポーツトレーナーを目指し高校卒業後に名古屋移住しても
サッカー漬け
県大会で優勝し
MVPを頂きました
そしてプロのトレーナーになるべく
まじめに人体解剖学、スポーツ心理学、生理学、物理学等を学びました
KABAの先生たちは、
●サッカー日本代表帯同トレーナー、
●オリンピック陸上日本代表帯同トレーナー、
●アトランタオリンピック陸上100m代表選手、
●日本人初のメジャーリーグトレーナー、
●プロゴルファー石川遼選手、プロドライバー脇坂寿一選手、陸上100m日本記録保持者の山縣亮太選手、パラリンピック陸上の井谷俊介選手、などのトレーナー、
●女子バレー日本代表コーチ、
など、名だたる先生から学ぶことが出来ました。
(いまだにお付き合いがあったりようら本店に来てくださったりもします🤟)
そのお陰でKABAも実業団やテニスの世界大会
Jリーグ等でトレーナー活動をしながら
勉強を続けました
そしてそれから20年
たどり着いたのが
尾張とんこつです
なんでや(笑)!!
解剖学の知識を
まさか豚骨に応用する日が来るとは
(笑)
それでは
尾張とんこつストーリーをどうぞ
【トレーナーから料理人へ】
学校を卒業してからはまじめにスポーツ関係の仕事をしていましたが
20代後半に差し掛かるころに転職の機会が訪れました
何の経験もないまま飲食業界に足を踏み入れることとなったのです
飲食未経験の私を使って下さる西野社長のエネルギーに圧倒されながら新しい世界にワクワクドキドキしながら我武者羅に頑張りました。
全く畑違いの新たな道に進んだ自分を応援し続ける私でしたが・・・
なにこれ!!
めっちゃくちゃ大変やん!
飲食店ってこんなに大変なのか・・・
イメージしていたレベルをはるかに超える大変さ
めっちゃくちゃ大変やん!!!
当時の私からすれば、めちゃくちゃ大変でした。
もしもそれが今だったら、間違いなくブラック企業という言葉にまもられ(?)働く時間も内容も大したことないのでしょうが、
私にとってはあの飲食店でのブラックなスタートがあったからこそ今があると思っています。
そんな中、手探りで自分の立ち位置を探しながらも
凄く充実した毎日でした
(11月に入社し初めての飲食店でいきなり忘年会シーズンだったのを覚えています。
いきなりめちゃくちゃ忙しい(笑)
12月31日の営業が終わった後に
地獄のような忙しさの中
何もできない不甲斐無さと
ひと段落した安堵感から
号泣して周りのスタッフから
爆笑されたのを思い出しました
後から知ったのですが
そのお店は名古屋でも飛ぶ鳥を落とす勢いの
大繁盛店でした。)
ラーメン作りに興味を持ったのは
それから何年も後でした
【自分のラーメンを作りたい】
最初の飲食店での経験がその後の飲食人生の礎になったことは間違いありません。
その居酒屋から始まり
ラーメン屋①
ラーメン屋②
沖縄居酒屋
ラーメン屋③
バイク屋
中華料理屋
ミシン工場
ラーメン屋④
みたいな感じで生きてきました。
最後のラーメン屋④で働くうちに、自分で考えてラーメンを作りたい!と思い始めました。
醤油ラーメン、塩ラーメン、鶏煮干しラーメン、まぜそばなど色々やりましたが、KABAはやっぱり福岡育ちとして、豚骨ラーメンをどうしても作ってみたかったのです。
【もはや和食!おわとんが出来るまで】
どうすればいいのか
~其の壱~
《先ず手掛けたのが豚骨ラーメンの味の濃さと重さをなくすことでした》
愛知県に住んでみて、愛知県民の豚骨ラーメンに対するイメージは
味が濃い
脂っぽい
というようなこってりした印象を持つ人が多いと感じました
がっつり食べられる人や
がっつり食べられるタイミングの人にとっては最高です
でもKABAがイメージしている豚骨ラーメンは、全然くどくないんです。
むしろあっさりしていてサラリと食べられるのが豚骨ラーメンなんです。
そんな私が求めたのは
満腹感ではなく
満足感
そして
幸福感
当時ラーメン業界では
『 脂=うまさ 』
の方程式が重要視されてる風潮があるように感じました
実際に脂とにんにくがいっぱいのラーメンが大人気なのが物語っています
実際に美味いからたまらんのだけれども
スープを炊く際に背脂なども一緒に炊いたり、丼の中に直接香味油などを入れたりします
約300ccのスープに一割ほどの油を浮かべるのです
じゃあ脂をいれなければいいだけでしょう
と思っていたら
単純にその油を取り除くだけではラーメンが物足りなくなってしまうのです
どうすればいいのか
~其の弐~
どうしたらいいものか・・・
味が濃いわけでもなく
こってりしているわけでもない
肉を喰らう様な食感があるわけでも
がっつり食べるわけでもない
だけれども
食べた後の
満足感と幸福感
それって、
和食やん‼️
これだ!!!!
旨さとはおなか一杯になることではなく
心が満たされることなんだと気付きました
私は『和食』に注目しました
知れば知るほど興味深く
感動しっぱなしです
和食はなぜあんなにも薄味で少量なのに
満足度が高いのか
そのひとつに
『旨味の相乗効果』
というものがありました
味の構成として
塩味
甘味
苦味
酸味
旨味
があります
(辛味は味ではなく正確には痛みだそうです)
そのバランスの違いで色々な味を表現していきます
和食を通して特に興味深かったのが
【旨味】と【塩味】
でした
旨味の成分として以下のものが挙げられます。
聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
昆布などの海藻に含まれる旨味成分のグルタミン酸
魚や肉二含まれるイノシン酸
干し椎茸などに含まれるグアニル酸
これらの旨味は単体で味わうよりも
複数の旨味成分を掛け合わせることで
旨味が掛け算になる
ことが研究で分かっています
なるほど
その目線で和食を見てみると
非常に理に適っています
鍋などもそうですね
お野菜
お肉
昆布だし
椎茸などなど
旨味の相乗効果が図らずして出来ています
そしてさらに
料理の満足度アップの味付けで欠かせないのが
塩味です。
(実はスパイスカレーでも味を整えるのはスパイスではなく塩なのです)
甘味を増したい時に
少量の食塩を足すという経験をしたことがある人も
多いと思います
(スイカに塩などもそうですね)
ラーメンが敬遠される要素の一つである塩分
パパっと食べるラーメンは
どうしてもパンチが求められやすく
塩分などで味を強くすることで
満足感を瞬時に感じるように作られることがあります
しかし
私が求めたのはパンチから来る
満足感ではなく
癒しのような
ホッとする満足感です
塩分を減らすだけでは物足りなくなる味も
旨味を強く表現できれば
塩分を減らしても満足できることもわかりました
どうすればいいのか
~其の参~
実践①
尾張とんこつには
純国産の豚骨(イノシン酸)に
北海道産の昆布(グルタミン酸)、大分県産の干し椎茸(グアニル酸)
更に数種類の節と魚や貝の煮干しのエキスを丁寧に抽出し贅沢に使用しました
よし
あとはこれを全部一緒に炊いてしまえば旨いスープが出来る!!
と思っていました
何度やっても全然うまくならないのです
理論上は旨くなるはずだったのですが
旨味の掛け算どころかだいぶ引き算に
いくつかの素材は
いなくなっているような気がして・・・
なぜだろう・・・
どうすればいいのか
~其の参~
実践②
炊けば炊くほど味が出てきて旨味は強くなっていくと思っていました
実際は違いました
食材によって最高に美味しくなる加熱時間が違う様なのです
もっと言うと
熱の入れ方で味も変わってくることが分かりました
使用する食材の性質を見極め
それぞれが最高のパフォーマンスが出来るように
日々研究しました
弱火なのか強火なのか直火なのか湯せんなのか
どのくらいの時間火入れするのか
試行錯誤の繰り返しです
それでも中々満足のいくスープが出来ないのです
旨いんだけどなぁ
なぜだろう・・・
どうすればいいのか
~其の参~
実践③
旨いスープを作るために
試作と試食を繰り返す毎日
ですが毎日何食も食べるとさすがに嫌になるときがあります
この味で出してもいいんだろうけど
なんか納得いかない
でもそろそろ心折れそう
気分転換するために
その日はなんとなく太麺で食べてみました
すると
味が全然違うのです
麺の味ではなく
スープの味が違うのです!!
目から鱗でした
当時の私の中では豚骨ラーメンと言えば細麺という概念がありました
スープにしか着目していませんから
いつも同じ麺を使っていました
それからは違う麺で食べまくりです
当時お世話になっていた製麺所さんのあらゆる麺だけではなく
製麺所さんのライバル会社さんの麺だったり
自家製麺を作っている同業のラーメン屋さんなどにも無理を言って協力していただき
色んな麺を集めて食べまくりました
今思うと失礼な話ですよね
自分で製麺しろよ!って感じです(笑)
そしてたどり着いたのが現在採用している
真空麺です
製麺所で使用している粉だけでなく
工場内や製麺機なども
あらゆる観点から麺を見ました
どのくらいの麺を試しただろうか?
ゆで時間も色々と試しました
豚骨といえばバリカタやろうもん!
粉落としばい!
柔らかもあるけんね!
凄いです
麺のゆで時間を変えるだけで
スープの味が変わるのですから
【尾張とんこつは完成したのか】
そんなこんなで
毎日がチャレンジと失敗そして驚きの繰り返しです
論より証拠
実は今でも常に試行錯誤しています
KABAが目指す尾張とんこつはラーメンではなく
もはや和食です
それでも現時点では
まだ尾張とんこつは
完成していないと思っています
いつ食べるのか?
どこで食べるのか?
部屋の温度はどのくらいがいいのか?
誰と食べるのか?
BGMは?
丼の形は?
お箸は?
美味しさとは
心の満足度なのだという考えのもと
もっと美味しくなる方法があるのではないかと
いつも何か考えてしまいます
これからも変わらない満足の為に
変わり続けます
尾張旭の美味しいごはんとラーメン
ようら本店